みなさん「御前崎(おまえざき)」ってご存じですか?
静岡県御前崎市にある、東に駿河湾、西南に遠州灘を望む、静岡県最南端の岬です。
御前崎にたつ「静岡県最南端の岬」の碑
廃線跡をゆく
現在「御前崎」へ行く公共の交通機関はバスしかありません。しかし、以前は「静岡鉄道駿遠線(すんえんせん)」と言う鉄道路線が通っていました。
静岡鉄道駿遠線路線図(地図をクリックするとYahoo!地図にジャンプします)
「駿遠線」は現在のJR袋井駅からJR藤枝駅の間を、御前崎をぐるっと経由して結ぶ路線で、総延長64.6km、
軽便鉄道としては日本最長の規模でした。
地頭方駅跡
昭和45年(1970)までに全線が廃線となってしまった「駿遠線」ですが、今もところどころに当時の面影が残っています。
静岡県道375号静岡御前崎自転車道線
御前崎付近には、廃線跡が自転車道として整備されているところもあり、廃線めぐりを楽しむこともできます。
地球が丸く見えるん台
御前埼灯台へ向かう階段の途中にこんなものがありました。
「地球が丸く見えるん台」
ここに立つと地球が丸く見えるのだそうですが、なるほど、たしかに丸くみえます。
残念ながら写真では全然伝わりませんので、ぜひ現地で確認してください。
見えるん台からの眺め(パノラマじゃなくてごめんなさい)
埼と崎の微妙な関係
地図を見ていると、御前埼灯台だけ「崎」ではなく「埼」で表記されています。これはどうしてなのでしょうか?
国土地理院の前身である「陸軍陸地測量部」では、山へんの「崎」を使用しており、今も国土地理院の地図には「崎」が使用されています。
ところが海上保安庁では、「海軍水路部」の時代から、土へんの「埼」を海図に採用しています。そのため、海上保安庁が管理している灯台は、名称に「埼」という文字が使われているのです。
※ちなみに「碕」と表記されている灯台もあります。石が海岸に突き出した所という意味で使用されているそうです。
最近になり、ようやく「地名等の統一に関する連絡協議会」において話し合いがおこなわれているそうですが、いったいどこまで統一は進んでいるのでしょうか? 気になるところです。
みなさんも地名と施設名の違う場所を見つけたら、調べてみてください。意外な理由が隠されているかもしれませんよ?
(文:浅井)