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4年間の復興の軌跡 ~地図と写真で振り返る「3.11」東日本大震災

[雑学・豆知識]  2015年3月6日

東日本大震災から4年がたとうとしています。この未曽有の大震災では、生活を支える鉄道や高速道路に甚大な被害がおよびました。Yahoo!地図に掲載した被害状況から、この4年間でどのような復興を遂げたのか、地図や写真で振り返ってみたいと思います。

震災で大きな被害を受けた路線

震災で運休や通行止めとなった路線のうち、Yahoo!地図で運休・通行止めの対応をした路線の4年間の変遷を図にあらわしてみました。
※Yahoo!地図では、長期間の運休・通行止めをピンク線や☓印で表現しています。

東日本大震災で1年以上運休、通行止めとなった路線とその再開時期
路線図(北) クリックすると画像が拡大されます


路線図(南) クリックすると画像が拡大されます


こうやってあらためて図にしてみると、沿岸部の路線は津波で大きな被害を受けたことがわかります。
図中で赤く表示されている路線は、4年たった今も運転を再開していない区間です。気仙沼線や大船渡線のように、この4年の間全く運転再開がない区間もあれば、仙石線や石巻線のように、少しずつでも着実に運転を再開していった区間もあります。その路線のひとつが「三陸鉄道」です。


毎春、少しずつ復旧した三陸鉄道

三陸鉄道は岩手県の太平洋沿岸を北リアス線と南リアス線の南北にわかれて走る鉄道です。
朝の連続テレビ小説「あまちゃん」でも描かれたように、震災後いち早く運転を再開した三陸鉄道ですが、津波による被害はとても大きく、全線復旧までにはかなりの年月を費やすこととなりました。

新しい線路の上を走る三陸鉄道

写真:アフロ
毎年4月に着々と運転区間を再開していき、昨年春にはとうとう全線が運転再開されました。地図を更新するスタッフにとってもほんとうにうれしい瞬間です。


BRTで仮運行! 気仙沼線/大船渡線

BRTとはバス・ラピッド・トランジットの略で、一般的には専用レーンを設けて走るバス高速輸送システムのことを指します。 震災後、あまりにも甚大な被害のあった気仙沼線と大船渡線では、線路やトンネルなどの一部区間をバス専用レーンとし、BRTの運行を開始しました。

鉄路の復旧費用はなんと700億円
気仙沼線の運休区間は、柳津駅~気仙沼駅まで、総延長約55kmにもおよびます。その区間を鉄路で復旧する費用は700億円と見積もられており、BRTが運行されてから、JRと自治体との間で鉄路の復旧に向けた話し合いは進んでいません。

整備されたBRT歌津駅

撮影:三堀 仁

気仙沼線・大船渡線BRT(バス高速輸送システム)(JR東日本)(外部サイト)

山田線は三陸鉄道として復活します!

一方、鉄路による復旧を目指し、BRTによる仮運行を受け入れなかった山田線。自治体とJRとの度重なる協議の結果、2018年度までに三陸鉄道への移管を前提とした復旧が決まり、復旧工事が3月7日から始まります。

山田線は三陸鉄道の南北リアス線に挟まれた、釜石~宮古を結ぶ総延長約55kmの路線です。震災では津波による被害が甚大だった大槌町を経由しています。この路線が三陸鉄道に移管されたら、中リアス線…になったり? こちらも運転再開が待ち遠しいですね。


祝! 全線開通「常磐自動車道」

震災による津波だけでなく、その後の福島第一原発の事故にも大きな影響を受けた常磐自動車道。今年3月1日に常磐富岡IC~浪江IC間が開通したことで全線開通となりました。

もともとこの区間は、2011年度に開通する予定でした。震災で被害を受け、また2年におよび立ち入りが制限されたため、ほとんど完成していた法(のり)面や橋梁も腐食や劣化が進み、再度工事をしなおさなければならなくなりました。その状況はこちらでご覧になれます。

常磐自動車道の開通区間(クリックするとYahoo!地図が開きます)



常磐自動車道の全線開通について(NEXCO東日本 プレスリリース)
常磐自動車道 全線開通 《地図更新のお知らせ 2014/9/29》


今年も2路線が運転再開! 生まれ変わる鉄道

JR石巻線 浦宿駅~女川駅間 3月21日運転再開
クリックするとYahoo!地図が開きます。


震災当初は石巻駅から運休していた石巻線も、あと1区間の運休を残すのみとなりました。女川駅は現状の場所よりもやや北側に移設され、温泉を併設した施設として生まれ変わります。
駅の設計は建築のノーベル賞とも言われる「プリツカー賞」を受賞した坂茂氏が手がけました。

建設中の女川駅周辺

撮影:三堀 仁

新生女川まちびらき(PDF)(外部サイト)

JR仙石線 陸前小野駅~高城町駅間 5月30日運転再開
クリックするとYahoo!地図が開きます。

仙石線の陸前小野駅~陸前大塚駅間は、新たに高架橋が建設され、鉄道路線が移設されることになりました。東名駅、野蒜駅も高架路線に移設されます。
この高架橋ができることにより、仙石線の運行時間が震災前よりも10分短縮されるそうです。
※計画路線はこちら。(Yahoo!地図が開きます)

建設中の仙石線高架橋

撮影:田仲 晃

快速列車で仙台へGO! 仙石東北ライン
仙石線の運転再開と同時に東北線への乗り入れが開始され、石巻駅~仙台駅間の直通運転が開始されます。仙石線高城町駅~松島海岸駅間の東北本線に一番接近するポイントに渡り線を設置。快速列車を相互乗り入れすることで、乗車時間が最速52分まで短縮されるとのことです。便利になりますね。
詳しくはJR東日本のホームページなどでご確認ください。

マンガッタンライナーも復活!?
もうひとつ、仙石線で忘れてはならないのが、震災前まではあおば通駅~石巻駅で運行していた「マンガッタンライナー」です。
今は毎週土日に石巻線石巻駅~小牛田駅間で運行しています。(仙石線ではあおば通駅~高城町駅間で不定期に運行しているそうです。)

JR石巻線での「マンガッタンライナー」

撮影:中村 友一

5月30日に運転が再開されたら、仙石線を石巻まで走る「マンガッタンライナー」が見られるかもしれませんね。

萬画の国いしのまき発「マンガッタンライナー」(外部サイト)


3.11、検索は応援になる。

「検索」を通じて、もう一度あの日に想いを馳せてみませんか。
2015年3月11日、ヤフーで「3.11」と検索してみてください。

みんなの想いのこもった検索を、日本が前に進むための力に変えて届けたい。
ヤフーで「3.11」というキーワードで検索された方おひとりにつき10円が、被災地の復興にたずさわる団体に寄付されます。


Yahoo!地図で対応している被災路線を取り上げてみた今回のブログ、いかがでしたでしょうか。このブログがちょっとでも震災を振り返るきっかけになればと思います。
(文:片川)

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