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にょきーんと生えるスカイツリー! 『3D』はこうやって作りました

[雑学・豆知識]  2013年8月26日

最新版のAndroid向けYahoo!地図アプリ。その見どころの1つでもある「3D」は、もうご覧いただけましたか?「東京スカイツリー」や「あべのハルカス」など、いま話題の施設を精巧な3Dモデルで表現しています。
今回はそんな「3D」について、どのように作られたのか「制作の裏話」と合わせてご紹介したいと思います。

(左) 東京スカイツリー  (右) あべのハルカス


3Dモデルを作る

3Dモデルの作成は専用のツールを使っておこなっています。
建物の平面図と立面図を背景に敷き、それに合わせて立方体や円柱などの基本図形を、伸ばしたり、切ったり、合体させたりすることで形を作っていきます。
絵を描くというよりも、粘土細工や彫刻などに似た感覚の作業です。

モデル作成のイメージ


モデルを作っていて気付くのが、一見単純な形に見える建物も、よく見ると複雑な形をしているということです。

例えば「東京スカイツリー」。
実は「東京スカイツリー」の足元は三角形をしており、上に行くほど徐々に円形に近づく不思議な形をしています。
高さによって断面図が異なるこのような形状のタワーは、世界でも類を見ないものだそうです。

東京スカイツリーの断面図


また、「あべのハルカス」もよく見ると複雑な形をしています。
高層階部分が台形になっていたり、側面がわずかにV字型にへこんでいたり、3Dをぐるぐる回すとその複雑な形がよくわかります。



その建物の特徴を忠実に引き出すためには、現地の写真や設計図などを1つ1つ調べて、モデルを作るようにしていますが、今回のモデル作成では、このような微妙な変化を読み取って表現するのにとても苦労しました。

データの軽量化を意識する

サクサク動作する地図アプリを実現するため、3Dモデルの作成においても、「データの軽量化」という点を意識しています。

例えば、グレーで統一したシンプルな模様を付けているのもその1つです。模様のもととなる画像のファイルサイズを小さくすることで、データを軽量化しています。

また、モデルのデフォルメにもこだわりがあります。
モデルを構成する頂点の数が増えるほどデータは重くなるので、できる限り少ない頂点で、かつ建物の特徴は損なわないような見た目を目指します。

複雑な形状の建物ほどこの調整が難しくなりますが、データを軽量化し、拡大縮小・回転をしても素早く描画されるモデルを作ることを、常に心がけています。

3Dを見るには?

Android向けYahoo!地図アプリで3Dを見るには、2本の指で画面を下から上にスワイプするか、画面右上の「地図を選択」からバードビューにチェックを入れます。


3Dは全国25カ所!

このようにして作成した3Dは、現在全国25カ所に置かれています。
対象物件は、「タワー」「高層ビル」「ドーム球場」の3つのジャンルから、集客数や検索数、見た目のインパクトなどを考慮して選定しました。
その一部をご紹介します。

タワー
左:東京タワー(東京都港区)
右:通天閣(大阪市浪速区)


高層ビル
左:JRセントラルタワーズ (名古屋市中村区)
右:梅田スカイビル (大阪市北区)


ドーム球場
左:京セラドーム大阪 (大阪市西区)
右:ヤフオク!ドーム (福岡市中央区)


全国25カ所の中には「こんなところも3Dに!?」と思われるような意外な場所もあります。
見つけた人はぜひYahoo!地図のTwitterFacebookまでお知らせください!
(文:齊藤)

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