こんにちは、Yahoo!地図スタッフの諸岡です。今回は空港の滑走路についての豆知識をご紹介します。
滑走路の向きの秘密
突然ですが、日本の主な空港の地図を並べてみました。
何か気づくことはありませんか?
そう、北北西から南南東に滑走路が配置されている空港が多いのです。しかし全てその方向かというと、関西国際空港は東北東から西南西に配置されていますね。これはなぜでしょうか。
飛行機は風上に向かって離陸・着陸します。日本は四季ごとに風向きの特徴がはっきりしていて、夏は南東からの季節風、冬は北西からの季節風が卓越していることが多いです。
各空港周辺の風向きの頻度をグラフ化してみました。
※気象庁ホームページ 気象統計情報より、日ごとの「最多風向」(那覇のみ「最大風速の風向」)を方位別に2011年の1年間分積算したものです。
滑走路の配置されている方向と概ね一致することにお気づきでしょうか。関西国際空港以外の空港は北西から南東、関西国際空港は東北東から西南西の風が多いため、滑走路がその向きに合わせて配置されているのですね。
滑走路の数字とアルファベットの秘密
あまり現地で見る機会がありませんが、滑走路の両端に数字が書いてあります。羽田空港の西側にあるA滑走路の場合、北側が「16R」、南側が「34L」。この数字やアルファベットにはどんな意味があるのでしょうか?
実は数字は滑走路の向きなのです。この向きというのは、方位を36等分し磁北を「0」としてそこから時計回りにいくつめになるか、を表しています。飛行機の進行方向が基準になりますので、北側の「16」は磁北から160度、南側の「34」は340度ということになります。
そして数字の隣に記されている「L」や「R」のアルファベットは、滑走路が2本並走している場合の「左側(L)」と「右側(R)」であることを示しています。
いかがでしたか?地図や航空写真で空港を眺めているとき、何気なく見えるものにも実はこういった秘密があったのです。皆さんも地図でいろんな秘密を探してみませんか。
(文:諸岡)