日本代表が出場する
2014 FIFAワールドカップブラジル大会の開催国ブラジルは、日本の国土の22倍の大きさ。そんなに大きいなら都市間の移動が大変なのでは? と気になってしまい、調べてみました。
ブラジル大会の開催都市を知っていますか?
日本はグループC。同じグループCの「
コートジボワール」、「
ギリシャ」、「
コロンビア」という順番で試合をしていきます。
この3試合の開催都市と、日本代表が大会期間中を過ごすベースキャンプ地はどこなのでしょうか。
ブラジルはちょうど地球の裏側ということもあり、地名も聞き慣れたものではなく、都市間の距離もイメージがわきにくいですね。
日本代表の試合開催都市名
うーん、ピンときません。
地図で見てみましょう。
ブラジル大会の全12会場都市
※赤字:日本が訪れる開催都市、青字:その他の開催都市
日本代表の移動距離はどれくらい?
地図を見ると位置関係は把握できましたが、距離感がわかりません。
そこで、毎試合ごとにベースキャンプ地のイトゥに戻るという前提で、3試合の移動距離を
Yahoo!地図アプリの「距離測定」機能で測ってみました。
合計移動距離:11,474km(往復)
なんと! 全て1,000kmオーバー! で合計10,000km越え。同縮尺の日本地図と比較すると移動距離のすごさがわかるのではないでしょうか。
参考までに羽田空港から国内外の主要都市空港の飛行距離と比較すると、およその距離感がつかめるかもしれません。
羽田空港から国内外主要都市空港へのおよその距離
- 新千歳空港 約800km
- 那覇空港 約1,500km
- 台北桃園空港(台湾) 約2,100km
- 香港国際空港(中国) 約2,800km
- マニラ国際空港(フィリピン) 約3,000km
- タンソンニャット国際空港(ベトナム)約4,300km
※距離はおよそであり、実際の飛行距離とは異なります。
つまり、香港や台湾へ行ってすぐに戻ってくるというイメージですね。しかも中4日で試合が行われます。
日本代表はものすごい距離を移動しているということが分かってきました。
同じグループCのコロンビア、コートジボワールは、日本と同じサンパウロ州がキャンプ地なので、試合時は同じような距離を移動して試合をすることになります。
コートジボワールのドログバ選手、ヤヤ・トゥーレ選手は、移動距離なんかものともしなさそうな屈強な雰囲気ですが、コートジボワールと日本の総距離は、ほぼ同じ11,000kmです。
コロンビアとギリシャは半分の5,500kmとなります。
もっとも移動距離の長い国「アメリカ」
さて、日本の移動距離がわかりましたが、もっと長い距離の移動を強いられる国が有るのではと思い調べてみました。
ありました、それはアメリカ!
アメリカ代表の試合開催都市名
合計移動距離:14,318km(往復)
14,000km! これは東京から
南アフリカ共和国までの直線距離と同じくらいです。
日本と比較しても、同じ試合開催都市が2つあり、キャンプ地もサンパウロ近郊ということもあり、あまり差がないですね。しかし、地図で見るとたしかに長距離移動ばかりです。
すべて2,000kmオーバー!
もっとも移動距離の短い国「ベルギー」
逆に移動距離が一番短いのはベルギーのようです。
ベルギー代表の試合開催都市名
合計移動距離:1,648km(往復)
これは近い! ものすごい不公平を感じるくらい移動してません。
これだけ移動距離に違いがあると、移動の負担からくるコンディションの差が発生しそうですが、そのあたりはどうなるか楽しみですね。
ついでに過去の大会と比較してみました
前回、南アフリカ大会の日本代表の移動距離は、ベースキャンプ地ジョージからブルームフォンテーン、ダーバン、ルステンブルグの3都市への移動です。
合計移動距離:5,180km(往復)
南アフリカ大会は、距離よりも試合会場の標高が話題になりました。このときの日本代表は予選2試合を標高1500mクラスの都市でおこない、残りの1試合は標高0mの都市でした。
標高が高いと空気が薄いため、多少の息苦しさを感じたり、空気抵抗が少ないためボールのスピードや軌道の変化が低地とは違ったものになり、事前に対策を練るなどの準備をして現地入りしていました。
今回のブラジル大会で日本代表チームが試合をする都市の標高は5m~150mなので、標高は問題なさそうです。
さらに、自国での開催となった2002年は、ベースキャンプ地静岡から予選3試合の都市、埼玉、横浜、大阪への移動で合計1,190km(往復)でした。
さすがホーム開催、まったく無駄のない動きです。
比べるとやはり今回の移動距離は突出しています。
最後に
ブラジルは、歴代開催国のなかで2番目に面積の広い国なので、移動距離の他に気候の問題もあります。
北部の都市は平均気温30度前後の高温多湿で、南部の都市は平均気温20度弱の涼しい環境です。アマゾン周辺の開催都市もあります。
この寒暖の差がある場所でさらに長距離の移動となると、選手の調整はもちろん、各地に駆けつけるサポーターもタフな大会になりそうです。
以上、簡単ですが広いブラジルを少しだけ体感できたでしょうか。現地観戦の方は、試合はもちろん広い国土も楽しんでくださいね。
(文:浅井)
本文中の移動距離は、Yahoo!地図アプリの距離計測機能を使い算出されたもので、実際の都市間距離とは異なります。